2025年7月14日月曜日

初心者がジャンクの3Dプリンタで最初に出力した“何か”の記録

 Amazonからレジンが届いた。届いたという事実はあるが、注文した記憶がない。そういうことはよくある。受け取った以上、使う以外に選択肢はない。いや嘘です。注文して届くのを楽しみに待っていました。

ジャンク屋で拾った3Dプリンタは、意外にも電源が入り、意外でもなんでもないような顔で青い光を点滅させた。セットアップはYouTubeで見た、らしい。レベリングもスムーズだった。全ての手順に既視感があるのは、予習済みなのか、再生された記憶なのか。

レジンを注ぐ。プリントは準備完了。では、何を生み出そうか。塔のようなものや格子状のものは定番らしいが、定番を出力しても人生は変わらない。変わらないためにBlenderを起動した。FreecadでもNomadでもよかったが、今回はBlenderだった。




思い浮かんだのは、どせいさん。MOTHER2のどせいさんだ。なぜ彼だったのかは不明。ただ、彼以外ではなかった。モデリングはドット絵を下に置いてキューブを並べるという簡易な儀式。完成までに30分。何をもって完成と呼んだのかは定かではない。



STL形式でエクスポート。Photon Workshopに読み込ませる。サポートは付けるか迷ったが、「迷った」という行為のあとに「付けない」という結論が出た。USBに入れて、プリンタに挿す。開始。プリント時間は20分。記録上は20分だが、精神的にはもっと長かった気がする。

プラットフォームが上がってくる。何も造形されていないかに見えたが、それはレジンに埋もれていたせいだった。「失敗」は視認できないだけで、成功は確定していたらしい。金属製のヘラで外す。力が必要だった。必要な力に理由はないが、結果として作品は存在した。

洗浄、そしてUVでの二次硬化。どせいさん、現る。思ったよりも小さい。それが物理的な話なのか、感情的な話なのか、境界はない。感動した。これは事実と感情の両面である。初プリント成功。失敗は記録されていない。



ジャンクだったが、未使用品だった。未使用でジャンクという状態もなぜか納得してしまう。プリンタは動いた。それだけで今日はほぼ完結している。次は何を出力するべきか。MOTHER2の他の住人たちか、あるいはまだ存在していない誰かか。


2025年7月11日金曜日

ジャンクの光造形3Dプリンタを手に入れた



 ハードオフに寄ったのは単なる偶然だった。雨が降っていたし、スーパーの特売も大したものがなかった。つまり僕は、現実世界に対するある種の失望感を抱えて、ジャンク売場へと逃げ込んだわけである。

で、そこで例のブツと出会った。光造形3Dプリンタ。未使用、動作未確認、ジャンク、5500円。 なにそれ、動くの? なにそれ、光るの? プリントって紙じゃないの? 僕の中の理性が叫ぶが、衝動という名のパンダが脳内を横切った瞬間、僕はすでに財布を開いていた。

帰宅後、さっそくセッティング。マニュアルは読まない。読める文字が少ない。付属品は全て入っているようだ。コードを挿し、スイッチを入れる。あとは願うだけだ。 動いた。いや、動いてないかもしれないが、少なくとも反応らしきものはあった。青く光るディスプレイ、無駄に動くプラットフォーム、それらすべてが“未来から来たゴミ”のようで、僕は感動した。

そして今、こうしてブログを始める。名付けて「magpiejunkers」。拾い集めたジャンクと奇妙な創作衝動が、融合と変質を繰り返しながら、レトロとバグとレジンの匂いをまき散らす、そんな工房である。

神よ、できれば次はレーザー加工機をジャンクで恵んでほしい。